2012年8月25日土曜日

【バス終点】伊予鉄南予バス/唐川線

希有なバス路線をふらふらとは言え折角乗っているわけですから、備忘録を兼ねてバスついて色々綴っていこうかと思います。
というわけで、伊予鉄南予バスの唐川線です。

 ***唐川線については、大幅改稿した以下の投稿が別途あります。***
伊予鉄南予バス/唐川線

■終点:両沢(りょうさわ)
とうとう他の乗客の姿を見ることなく、バスは終点に着きました。
国道から県道に外れ、さらに道幅が1車線と狭くなった先に、草むしたバス停があります。地図を見ると、ここまで沿って走ってきた森川もまもなく源流に行き当たるようです。障子山の分水嶺をひかえた、どん詰まりの集落なのです。

川縁にはへばり付くように生えているビワの木。森川沿いはビワの名産地であり、先ほどバスも通り抜けた、川の中流にある大きな集落の名を取って「唐川ビワ」と名付けられています。
もっとも、ここより下流部の集落では、年間400トンが産出されるという唐川ビワと、その関連工場の恩恵に与ることができるものの、ここまで山深くなると何より土地がないわけで、暮らしを立てるためにはどうしてもふもとに降りて兼業をしなくてはなりません。

唐川線はそうした通勤者や、また学生のための路線でした。
しかしながら、時代の移り変わりと共に通勤客は減り、残った学生も2年前にバスから姿を消しました。 自治体運行のスクールバスに取って変わられたといいます。

「どして今まで残っとるかがわからんよ。いつ消えるやわかりゃせんね。」
定年を4年後に控えたベテラン運転士がハンドルを握るロートル車は、また私だけを乗せて郡中へと戻っていくのです。

 ■路線概要
伊予鉄道(本社:松山市)の完全子会社である伊予鉄南予バス(本社:八幡浜市)は、愛媛県の久万地域および南予地方を中心に路線網を広げいます。

その路線網の最北端に位置するのが今回の唐川線で、松山平野の最南端に位置する伊予市の中心部、米湊(こみなと)地区の「郡中」停留所と、伊予市の南東部、 障子山のふもとに位置する両沢(りょうさわ)地区の「両沢」停留所間を、2級河川森川に沿って、主に国道56号線・愛媛県道53号線を経由して結ぶ路線び ます。
起終点は共に伊予市内であり、伊予鉄南予バスの路線としては、久万地域を除いて唯一中予地方内のみで完結する路線でもあります。
 唐川線の経路図はこちら

24年4月1日時点で、両沢発07時05分/15時50分・郡中発15時20分/17時20分の2往復が運行されており、全線の所要時間は19分。なお、土休日は全便運休。

■クルマ
乗車便:郡中15時20分→両沢15時39分
日野レインボーRJ(K-RJ170AA/82年式)。ナンバーは愛媛22か11-87。
伊予鉄道本体からの譲渡車で、 小型方向幕が特徴のRJ初期型。
手回し式の方向幕、500円硬貨非対応の運賃箱が現役です。